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執筆者の写真hbrackin

ペイントでつくった憧れの大きな本棚

年末年始はいかがお過ごしでしたか?

 

私はやっとできたまとまった休みを利用し、昨年から温めてきたペンキ塗りで忙しくしていました。玄関の靴箱や小物を置いている棚を塗り、大胆なリニュアルを目指して。

 


ペンキ塗りは一旦スイッチが入ると止まりません。


1ヶ所塗るとまた別の場所も塗りたくなってしまう、模様替えフィーバーにかかってしまいます。また、道具を取り出し、ペンキの缶を開ければそのついでにというのは変ですが、せっかく出ているうちに塗ってしまおうと思ってしまうんですよね。


ペンキや刷毛、ローラーやトレー。養生やラップ。古新聞、古布。脚立、ペンキ塗り用の服など、結構たくさんのものを出すことになります。準備の方が、時間がかかるぐらい。塗る作業はあっという間なので、この際にあっちもこっちもとなってしまうのです。

でも、何よりも楽しいんですよね。



そんな訳で、今回は玄関周りの家具や建具と同時にトイレの天井まで塗ってしまいました。

 

家具をペイントした際には、中までしっかり乾くまではしばらくもの置かず、入れずに、1週間ほどは待つのがベストです。表面が乾いたと思って硬いものを置いてしまったりすると傷になる可能性もあるので要注意です。


場合によってはもっと時間がかかることも。

昔、引き出しを塗った際に1週間待ってから家具の中に入れ、しばらく開けないままでいたらなんと引き出しが家具にべったり。


木製ハンマーでとんとん叩いてようやく、くっついていた場所が離れ、開きました。幸いなことに家具には傷はつきませんでしたが、もう繰り返したくない失敗です。


でも、DIYとは、失敗や成功の繰り返しですよね。

失敗してからこそ学ぶことがあり、次の成功へとつながります。

いろいろ調べたり読んだり、勉強をしても実際にやってみないと分からないものです。

使う素材や場所、気温などによっても結果は違ってきます。

 

ペンキの乾きの話に戻りますが、夜にネイルを塗り、表面が乾いたと思って寝たら翌朝、布団の跡がついていたことありませんか?それと一緒ですが、ネイルよりも中までしっかり固まるまでの時間はだいぶ長いものです。

 

ですので、お披露目はもう少しお待ちいただいている間に、昨年中に完成したプロジェクトをご紹介したいと思います。

 


壁一面の大きな本棚にずっと憧れていました。

本をたくさん並べたり、仕事や趣味で使うものを無造作に置けるような、海外のアトリエやライブラリーの写真で見られるような本棚です。

 

中身はきちっとしているよりも、使い込んだ、無造作なイメージ。

本が立っていたり、倒れていたり、ものがごたごた入っていたり。

そんな楽しい本棚が夢でした。

 

でも、そのような大きな本棚を置くスペースはありませんでした。

 

そこで、だいぶ前から頭の中では書斎の収納を、ビルトイン風の本棚にリメイクすることをイメージしてきました。

 

時間があれば繰り返しスケッチをし続けながら夢を膨らませたり、自分自身で何ができるかを考えました。

 

あまり難しい大工作業は自信がなく、道具を使うのも苦手です。特に電動系にはなぜか恐怖感が...

 

そこで、建具を外し、中の状態を活かしながら上手く工夫することがベストといった結論になりました。

 

そしてなるべく新しく棚をつくらず、今あるものを再利用すること。

 

自宅には過去につくったDIY本棚がいくつもあります。

それらの棚をなんとか組み替えて使えないかを検証してみたところ、ほぼぴったりフィットな組み合わせができました!


これで決まり。Goサインが出たような気持ちになり、急ピッチでスタート。

 

まずは収納の中身を空にして整理を。床一面にものがたくさん。気が遠くなりそうになりましたが、とりあえずは置いておき、押入を改造から始めることに。

 

そして収納の折戸を外し周りの下処理を。


自分でできることで楽しくできることとはペンキ塗りです。形を残しながら、そして家にあるものを活かしながら、建具を外した収納の中を塗りました。


塗る箇所は多く、壁と天井、棚、枠。それぞれ素材が異なります。仕上げを綺麗にするよう、そして傷や剥がれるのを防ぐためには素材に合わせて適した下地や、ペンキの質感を選ぶのが重要なポイントです。

 

例えば、既存の中棚と枕棚はベニヤなのでそのまま塗ってしまうとヤニが出て、表面に黄色っぽいシミが出てくるのが心配だったので、ペンキを塗る前にヤニ止めシーラーを塗りました。ヤニとは木材に含まれている油脂のことで、温度上昇によって黄色く滲み出てくることがあります。無垢のパイン材の建具なども、ペンキを塗る前に下処理としてシーラーを塗っておくとより安心です。


これも失敗から学んだこと。以前にパイン材の建具をそのまま塗ってしまったら、半年もしないうちに黄色いヤニが滲み出てきてしまいました。せっかく綺麗に塗ったのにかなりのショック。対処法としてはヤニ止めシーラーを上から塗り、さらにペンキを塗り直すという2度手間です。

 

プリント板の枠や、元々あった収納内のフローリングの床はややすべすべした表面で、ペンキをはじく可能性があります。ペンキののりが悪いと剥がれたり傷になることもあるため、ミッチャクロンといった、塗料がぎゅっと密着する下地を塗りました。(これはかなり臭いが強いので窓を開けられる日に塗るのをお勧めします)


ペンキも、場所によって種類を選ぶのが重要です。同じ色番でも用途によって合う合わないがあります。壁にはややマット系のペンキが綺麗です。ファロー&ボールで言えば、モダンエマルション(写真左上)といった、光沢レベルが7%のほぼマットに近い質感のもの。木部には同じ色でも、光沢レベルが40%といった、傷がつきにくく、汚れても拭きやすく、頑丈なモダンエッグシェル(写真右上)といった仕上げを使いました。海外では床や階段にも使うぐらいの硬さなので安心です。色は一緒ですが、違いは光沢。

機能性はもちろん、2つの違った光沢レベルの塗料を一緒に使うと、光の反射も異なり、立体感のある仕上がりとなり、よりインパクトが出て綺麗ですよ。

 

このように大変そうな話をしていますが、一カ所を塗り、そこが乾燥するのを待っている間に別の箇所を塗りながら止まらずに進めていくことで意外とスピーディーに、ほぼ1日で完成しました。


再利用する棚もその間に塗り、作業は完了。

そして、乾燥を待っている間に床に出ていたものの整理を。

普通であればまずはものを整理してから収納をつくらない?と思いますよね。でも、乾燥するまで何も入れることができないため、この時間を使ってやることに決めました。

 

押入れのペンキ塗りよりもこっちの方が大変!これまでこの収納の中には色々なものが隠れていました。

 

あまり使っていないものや見ない書類もかなりの量。その他に、工具や梱包用品、色々な部品、アルバム、スケッチブック、思い出の品が数々。

 

本棚に戻したいもの、戻したくないものを分け、部屋にある他の収納に入っているものと合わせて全体を見直す良いきっかけにもなりました。

 

こうして全体を見直すことで以前と比べてよりメリハリのある収納システムが出来上がったような気がします。


そして1週間ほどが経ち、いよいよ新しくできた本棚に本や好きなものを入れる時が。ペンキ塗りも楽しいけれど、ものを入れる時もわくわくしますよね。


あ、もうほぼいっぱい。

ものはあまり増やせませんね(笑)

 

これから使っていくうちに本やものを並べ替えたり、少しずつ崩れていきながらより味わい深さが出てくるでしょう。

 

本棚とはそういうものなのではないでしょうか。





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