ファロー&ボールさんの銀座のショールームにお邪魔したました。
グレートーンを中心とした落ち着いた空間の中、
一層際立つのが片側にあるピンクの廊下です。
いったいどこへ繋がる廊下なのかしら、と思って奥のドアを開けるとさらにピンク色に塗られたトイレの空間が待っています。ちょっと楽しいサプライズですね。
家の中でもこのようなサプライズとは暮らしに潤いを与えてくれます。思いがけないところが思いがけない色に塗られたり、大胆な演出がされたいたり。
ピンクの廊下に話は戻りますが、
実はこの廊下は色と照明とのコラボを実際に体験できる空間です。
照明の色温度のよって、ピンクがどのように変化するかが見られます。
照明によって色が多少違うように見えるのは誰でもご存知のことでしょう。
特にメークやヘアカラーでお気づきの方、逆に失敗をされた方もいらっしゃると思います。
もちろん、インテリアでも同様です。
それが特に特徴的なのがファロー&ボールのペイント。
同じピンクでも、照明の色温度でこんなに変わるんですよ。
実際にどの色が本物なのか、続きを読む前にぜひ当ててみてください。
① 電球色を使っています。リビングや寝室など、くつろぐスペースで人気の、気持ちが落ち着く、温かみのある照明の色です。ピンクはなんとなくサーモンピンクのような、まさ温かみのある色に見えますね。すーっと力が抜け、リラックスできるような優しいトーンです。
② 昼白色を使った時。昼白色とは太陽の光に最も近い、自然な明るさです。どんな部屋にも合わせやすい、いきいきとした光の色です。日中の明るさであることから、多くの人には一番馴染みのある色とも言えるでしょう。電球色よりも少し青みがかったような、グレイッシュなくすんだようにピンクが見えます。
③ こちらは昼光色。実際にショールームで使っているのは蛍光灯の照明です。しっかりと明るく、青みがかったピンクを見るとなんとなく元気に、前向きな気持ちになりませんか?昼光色の明かりでは細かいところまでよく見え、オフィスや勉強、作業スペースに適しています。脳の覚醒効果もあると言われ、集中するために効果的な光です。ただ、目が疲れやすくなることもあったり、脳が逆に興奮状態になってしまうこともあるので寝室やリラックスする空間にはあまりお勧めはできませんが、作業効率をアップさせたい場所には使いたい色です。
すでにお分かりかと思いますが、こちらのペンキの実際の色は②の昼白色の光で見えるピンクです。色名はCinder Rose (246番)とややくすんだ、シンダーローズと名の伝統的なバラの花から名前を取っています。
明かりよってこれだけ色の印象が変わるんですね。
1つの色で様々な表情や雰囲気が楽しめるのも私自身も
ファロー&ボールを自宅で使って感じた、魅力の一つです。
こちらの塗料には高品質な顔料がものすごくたくさん含まれていることから、光の温度によって生かされる顔料が変わり、これだけ変化が見られるそうです。
色には正解も不正解もありません。
明かりの変化で見られる様々なニュアンスが
その光によっての本来の色と考えても良いのでは。
いくつも色のニュアンスも楽しめたり、
様々なムードが味わえるとはちょっと得した気分になりますよね。
もちろん、好き嫌いはあるかと思います。
実際に私自身も自宅でシンダーローズとは別のピンクを塗っていますが、
電球色で見られるニュアンスが自分がイメージしている部屋の雰囲気とは異なり、
照明の電球を昼白色に取り替えたことがあります。
それも間違ったことではなく、
とにかく自分らしく、そして自由に楽しむことが大切です。
色々欲張りたければ調色可能な電球にすれば、その時の気分やニーズで調整できたりも。
切なのは試し塗り
これだけ時間や季節、照明の灯りによって色が変わることから、
ペンキは塗る前に現場で試し塗りするのを常におすすめしています。
どのように色が変わっていくか、何日か観察してみてください。
晴れた日や曇った日、朝、昼、晩。照明をつけた時。
しっかりとその色と、色と光とのコラボを理解することで失敗を避けることもできます。
壁は平面かもしれませんが、そこに塗る色には本当に奥深さがあると改めて思いました。
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